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超絶縁計(高抵抗測定、IRメータ―など)の最初のトラブル(値のふらつき、抵抗値の低下)対策入門
高抵抗や微小電流を測定するとき、最初の大きな壁はノイズや漏れ電流(測定対象を通らない電流)による想定外の測定結果です。 目に見えない原因をイメージするためのナビケート資料としてお使いください。
本資料は、HIOKIの大人気ウェビナーの解説付き資料になります。期間限定公開中のためお急ぎ入手ください。
このカタログについて
ドキュメント名 | あるあるを学べ! 計測がふらつくを解決(超絶縁計/IRメーター編) |
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ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 8.8Mb |
取り扱い企業 | 日置電機株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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始めまして、HIOKI field sales engineer 八幡健太郎です。
よろしくお願い申し上げます。
私は、日々field sales engineerとしてお客様と交流させていただいております。
その中でいろいろ声をいただいた内容から
「かゆいところに手が届くプロジェクト」を開始しました。
今回のプロジェクトの背景からお話させていただきます。
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普段お客様と交流させていただく中で、感じたこととして、
トラブル時のノウハウがブラックボックス化されており、だれからも学ぶことができない
例えばですが、
⇒Google等で検索しても何も出てこない
⇒トラブル時に意外と時間をかけてしまっている
⇒計測器メーカに電話して聞いても、知らない単語だらけで余計わからなくなる
⇒ただ、時間をかけてノウハウを勉強する時間もない(かゆい部分)
という現状があることを日々感じております。
我々HIOKIも含めて、
計測器メーカ全体で“わかりやすく伝えるという部分は、不得意である”と感じています。
⇒計測器メーカとして、この「不」を解決したいそんな思いからこのセミナーを企画しました。
今日、HIOKIから学べる場の提供といつでも学べる資料の提供をします。
⇒トラブル時に毎回かかる工数と不安を取り除けるよう一生懸命説明させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
このような背景から、プロジェクトの名前を、「かゆいところに手が届く」としています。
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本セミナーでお客様に提供したい価値は、
「問題が起きた時すぐに対策あるあるが浮かぶこと」
例えば「車」ですが、車が動かないという問題に直面した際
直感や今までの知識から
・エンジンがかからない
・パンクしている
・車のキーが壊れている
・サイドブレーキ引いたままだった
超絶縁計でのトラブルでも同じで、
どう次の一手を考えることができるかが重要だと思います。
この次の一手を今日皆様に授けたいと思います。
本内容は、HIOKIの超絶縁計にかかわらない
本質的な内容になっていますのでご安心ください。
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本セミナーでは超絶縁計にフォーカスした、対策あるあるをなるべくわかりやすく嚙み
砕いて説明していきます。
超絶縁計を使用する中で、こんなこと一度は皆さん経験したことはないでしょうか。
“測定値がおかしいぞ?”
①測定値が想定よりも低く出ているな
②測定値がばらついてしまう
だけど、どんな対策したらいいかわからない・・・
このような経験です。
一度でもこのような経験を持つ方は、聞く価値があると思います。
まずは
・超絶縁計とはなにか?
・超絶縁計測定ってどんな性格を帯びているのか?
を導入として話させていただきます。
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まずは、超絶縁計とは何なのか概要説明をいたします。
超絶縁計とは
「測定対象(ワーク)に対してDC(直流)の高電圧をかけ、
流れた微小電流を高精度に計測したのち抵抗値を計算する測定器」
です。
ここでキーワードを抜き出します。
高い電圧⇒電圧のかけ方、印加の仕方で周りへ影響を及ぼしやすい
微小電流⇒ 周りからの影響を受けやすい
この事実からわかることとして、
外部環境に対してシビアな・デリケートな測定であるということがわかります。
大前提とシビアな計測であることを頭に入れてください。
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次は少し解像度を上げて、実際に測るときどのようなことが起きているでしょうか?
①まず超絶縁計から電圧をかけます。
②測定対象(ワーク)には微小電流が流れます。
それを測定器内部で検知します。
例えばワークの抵抗値が1GΩの時、電圧を100Vかけた際1μA流れます。非常に微小な
電流です。
ワークの抵抗値が10Gの時、同じ条件なら、
0.1μA流れます。
つまり、ワークの抵抗値(R)が上がれば上がるほど、
印加電圧値(V)が低ければ低いほど、
電流値(I)は小さくなり周りの環境の影響をうけやすくなります。
ただし周りの環境からの影響は、厄介なことに目に見えません。
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今までの背景を踏まえて、お困りごととして普段このようなことが起きてます。
・測定値がばらつく
・測定値が想定よりもひくい
電流が極小がゆえに外部の影響を受けやすいのですが、
その影響は、残念なことに人間の目には見えません。
そこには見えない悪魔が存在します。
見えない悪魔はこのような形で、様々な悪さをします。
見えない悪魔は、人間が予期しないところからひそひそと侵入してくるわけです。
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今回この見えない悪魔を丸裸にし、皆さんの業務の効率化に貢献したいと思います。
ここからは皆さんからよくいただく事例から、
計測で良くある「あるある」を以下の枠組みから説明をさせていただきます。
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この2つをマスターすれば、
超絶縁計でおこる「測定値がおかしい・・」でとられる時間を多く削減できることができます。
見えない悪魔の“すべて”を説明することはできませんが、
6、7割くらいは網羅できると思います。
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オームの法則は本セミナーで頻出します。
頭に入れながらご確認ください。
超絶縁計を使用する際、
電圧は一定に設定し、定まった電圧で普段測定されていると思います。
つまり、
今回の変数は、電流値(I)のみとなります。
測定値が想定よりも低いという状態を
オームの法則に当てはめれば、電圧は一定とみなして
電流値が大きくなると、分母が大きくなりますので
抵抗値が小さくなります。
さらに電流値が大きくなれば、さらに抵抗値は小さくなります。
ここからいえることは、
目に見えない悪魔は、本来よりも電流値を大きくするような悪さをしているとなります。
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先ほど電流値が大きくなるといいましたが、
電流値が大きくなる場合とはどのような場合が考えられるでしょうか?
それは、測定対象以外から電流が流れている場合をさします。
この測定対象以外の電流は、様々な要因から発生します。
この本来必要のない、他から漏れた電流が発生しないようにあるあるで対策を講じて
いきましょう。
測定対象以外の電流をこの後から「漏れ電流」と呼びますので、
混同しないようお願いします。
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それではあるある1つ目です。
ジグ等の測定対象以外から漏れ電流が流れているがあるある1つ目です。
測定対象が空中に浮いていない場合、設備の対象ワークのジグに乗っていたり、ワークがジ
グによって固定されていると思います。
その際、測定対象+ジグに対しても電圧が印加されることになります。
この時、ジグに対しても電流が流れてしまい、
本来欲しい測定対象以外の電流を計測してしまうことがあります。
そうすることで、電流が増大し、絶縁抵抗値が本来よりも低くでるパターンがあります。
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簡易的な例ですが、
このような状態を想定してみましょう。
装置に組み込まれていても構造自体は同じですので、
ここは頭の中でお客様の設備の内容と照らし合わせてみてください。
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赤い矢印は、ワークを通る電流です。 青い矢印は、ジグを通る電流です。
ジグを流れる電流は、ワーク以外を流れる電流ですので本来は測定してはいけない電流にな
ります。
ここで、「なぜワーク以外に電流がながれているの?」と思った方いらっしゃると思います。
実はここに大きな思い違いがあります。
今、冒頭申し上げた通り、高電圧がワークにかかっています。
ですが、同様にジグにも電圧がかかっているわけです。
電圧をワークのみに印加しているつもり
これは人間側の思い込みです。
実際にはジグにも電圧が印加され、ジグを介して電流が流れる場合もあります。
そうなると、上図、オームの法則を見てわかる通り
ワークを流れる電流+ジグを流れる電流を超絶縁計にて一緒に測ってしまっているということ
になるわけです。
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この時、
オームの法則から想定よりも抵抗値が低くなるということがあります。
作業者は当然、ワークのみに電流が流れていると思いこみます。
「想定よりも抵抗値がひくいな」と疑問に陥るわけです。
ここでの学びは、
超絶縁計からの高電圧印加は、ワーク以外にもかかっているのだという意識が重要です。
この考え方はこの後も続きます。
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あるある2つ目は、
②測定ケーブルの絶縁抵抗値が低い
電圧はケーブル間のすべてにかかっています。
ただし通常ケーブルは測定対象よりも絶縁性に優れた絶縁素材で囲まれているため、
そこから電流は漏れずらいです。
ただ、お客様によってはケーブルを自作で作成し、加工をされているかもしれません。
その時使用するケーブルを覆う素材の絶縁抵抗値が低いと、
そこから漏れ電流が流れます。
そうすることで漏れ電流が増大し、絶縁抵抗値が本来よりも低く出るパターンがあります。
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先ほどと同様、赤い矢印はワークを通る電流です。
青い矢印は測定ケーブルから漏れた電流です。
電圧をワークのみに印加しているつもりでも絶縁性が悪いケーブルから電流が漏れ、
絶縁性の悪いジグや測定ケーブルを介して超絶縁計本体に電流が流れる場合もあり
ます。
そうなると先ほどと同じ構図で、
ワークを流れる電流+絶縁性が悪いケーブルから漏れでる電流を超絶縁計は測定す
ることになり、
オームの法則から想定よりも抵抗値が低くなるということがあります。
同じく作業者は当然、ワークのみに電流が流れていると思いこみます。
「想定よりも抵抗値がひくいな」と疑問に陥るわけです。
なんとなく法則がわかってきたでしょうか。
全ては、同じ結末に着地していきます。
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あるある3つ目は
③ケーブルやワークの環境が、湿度が高い、汚れが付いている
測定対象が汚れていて湿度が高い状況の場合、漏れ電流が流れます。
また、湿度が高いと、測定対象や測定ケーブルが湿度を吸い込み(吸湿)ます。
絶縁抵抗値が下がり、漏れ電流が流れる可能性があります。
試験環境は一定を保つことが理想的です。
やはりこの場合でも漏れ電流が増大し、絶縁抵抗値が本来よりも低く出るパターンがあります。
実際の右の図データになります。
3パターンの汚れ具合を模擬して弊社内で測定をしてみました。
目に見えて絶縁抵抗値は、変わっています。
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先ほどに続き、具体的な模式図を使います。
赤い矢印は、ワークを通る電流です。
青い矢印は、汚れを通る電流です。
電圧をワークのみに印加しているつもりでも、汚れを介して超絶縁計本体に電流が流れる場合
もあります。
そうなると、
ワークを流れる電流+汚れに流れる電流を超絶縁計は測定することになり、
オームの法則から想定よりも抵抗値が低くなるということがあります。
同じく
作業者は当然、ワークのみに電流が流れていると思いこみます。
「想定よりも抵抗値がひくいな」と疑問に陥るわけです。
先程とまったく同じですね。
「ワーク以外に電圧がかかっているのだ」という意識がないと目に見えない悪魔に騙されます。
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