ガーネット型結晶構造を持つ。組成式は (Rは希土類元素)。RIG(Rare-earth Iron Garnet、希土類鉄ガーネット)とも呼ばれる。代表的なものはYIG(Yttrium Iron Garnet、イットリウム鉄ガーネット)である。高周波領域での磁気損失が小さいため、マイクロ波用磁性材料として用いられる。
歴史
1930年に加藤与五郎と武井武がハード・フェライトとソフト・フェライトを発見した。ソフト・フェライトについて、1930年1月21日の日本鉱業会の例会にて講演という形で日本語で発表した(口頭発表者は加藤)。この例会にて発表した内容については、質疑を含めて、論説および報告として10ページにまとめられ、日本鉱業会誌の1930年3月号に、加藤、武井の連名で「亞鐵酸亞鉛 (Zinc Ferrite) の組成、化學的性質及び磁性に關する研究」というタイトルで掲載された。また、米国電気化学会の第57回 General Meeting of the American Electrochemical Societyにて、1930年5月30日に、日本鉱業会の例会の講演と同様の内容を""Studies on Zinc Ferrite. Its Formation, Composition, and Chemical and Magnetic Properties"のタイトルで、加藤、武井の連名で英語で講演した(口頭発表者は加藤)。同年12月に、特許を出願した。ハード・フェライトについても同年12月に特許を出願し、1933年の工業化学雑誌に「酸化金屬磁石に就て」というタイトルで論文発表した。1933年にフィリップス社のSnoekらが酸化物磁性材料の研究を開始した。1935年に斎藤憲三が東京電気化学を創業。1937年からソフトフェライトの生産を開始し、1938年にフィリップス社は東京電気化学製のフェライトのサンプルを入手した。1941年にフィリップス社がオランダ国内で特許を出願した。その後、1949年にフィリップス社は日本にも特許を出願し、1950年に認められた。1954年から特許の無効を求めて東京電気化学は法廷で争ったが、東京電気化学の出願した特許権は維持費用の未払いのため特許権が切れており、1956年に他社よりも優位に立ちたい同社はフィリップスに有利な条件で和解に至る。1970年にルイ・ネールはノーベル物理学賞を受賞した。1990年に武井は、功績を認められ、米国セラミックス協会から名誉会員に推挙された。2009年10月にフェライトはIEEEマイルストーンの事業として認定された。
脚注
注釈
出典
参考文献
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