東京エレクトロン株式会社(とうきょうエレクトロン、英:Tokyo Electron Limited)は、日本の東京都港区赤坂に本社を置く世界最大級の半導体製造装置メーカーの一つ。半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置を開発・製造・販売している。この分野でのシェアは国内首位、世界第3位(2021年現在)。国内半導体関連メーカーとして最大の時価総額および営業利益を誇る。東証プライムの半導体セクタ企業において唯一TOPIX Core30構成銘柄である。
概要
半導体製造装置分野でアメリカのアプライド・マテリアルズ、ラムリサーチ、オランダのASMLと競合する。2022年、ソニーとトヨタなどの大手8社が出資して設立したRapidusや台湾の世界最大半導体メーカーTSMCの熊本工場建設の件でこの会社も再び注目を受けた。元々、海外売上がほとんどであったが、日本が半導体国産化を進めようとしているため、これからは国内への売上が伸びるという展望もある。半導体製造装置は日本が強みを持っている分野の一つであり、世界様々なところで日本製の機械が使われている。特に、東京エレクトロン(TEL)が開発しているコータ/デベロッパーは全世界で90%(EUV露光用はほぼ100%)のシェアを持っている。このように世界半導体動向にかなり大きな影響を及ぼす会社なので、アメリカのバイデン政権は日本、オランダ、アメリカの半導体同盟の大事さを強調している。オランダのASMLと日本の東京エレクトロンはアメリカのバイデン政権から対中規制に対しての協調を強制されている。半導体だけではなく、フラットパネルディスプレイ分野でも有名な会社である。次世代OLED量産方式であるInkjet Printing技術を保有している。業界や株式市場などではTEL、東エレクとよばれることが多い。
主な取り扱い製品
半導体製造装置
コータ/デベロッパ - 半導体を製造する際に、フォトリソグラフィープロセスにおいて感光剤の塗布と現像を行う装置。エッチング装置プラズマエッチング装置ガスケミカルエッチング装置成膜装置熱処理成膜装置 - トランジスタの絶縁膜をつくるための製造装置。半導体製造において、トランジスタの性能向上を図るために、短時間で高温での熱処理が必要とされている。ALD装置CVD装置PVD装置枚葉成膜装置縦型拡散/LP-CVD/ALD装置SiCエピタキシャル成膜装置洗浄装置 - 半導体製造過程において、チリ、ほこりなどの不純物を洗浄するための装置。枚葉洗浄装置オートウェットステーションバッチスプレー式洗浄装置極低温エアロゾル枚葉洗浄装置スクラバー洗浄装置テスト装置ウェーハプローバマルチセルテストシステムウェーハボンディング/デボンディング装置ウェーハエッジトリミング装置ガスクラスターイオンビーム装置
フラットパネルディスプレイ製造装置
FPD エッチング/アッシング装置
沿革
1963年11月 - 東京放送(TBS、現:TBSホールディングス)の出資により、株式会社東京エレクトロン研究所を設立。1968年2月 - 米国サームコ社との合弁会社、テル・サームコ株式会社(後の東京エレクトロン東北株式会社)を設立。1976年6月 - テル・サームコが世界初の高圧酸化装置を開発。1978年10月 - 株式会社東京エレクトロン研究所から現社名の
東京エレクトロンに社名変更。1980年6月 - 東京証券取引所第2部に上場。1984年3月 - 東京証券取引所第1部に昇格。1990年8月 - 東京エレクトロンFE株式会社を設立し、液晶ディスプレイ(LCD)製造装置(FPD製造装置)に本格進出。1990年10月 - 東京エレクトロン デバイス操業開始。1994年8月 - 本社を赤坂TBS放送センターに移転。1999年10月 - 東京証券取引所第1部における業種変更(「商業」→「電気機器」へ)。2000年8月 - 単元の株式数を1,000株→100株に変更。2003年3月 - 東京エレクトロン デバイスが東京証券取引所第2部に上場。2006年4月 - 東京エレクトロンAT株式会社を3社に分割(東京エレクトロンAT株式会社、東京エレクトロン東北株式会社、東京エレクトロンTS株式会社)。2008年2月 - シャープと合弁で東京エレクトロンPV株式会社を設立。2008年2月18日 - 本社を赤坂Bizタワーに移転2012年5月 - NEXX Systems社(米国)を買収し、TEL NEXX, Inc.を設立。2012年11月 - 東京エレクトロンPV株式会社を解散。2013年9月24日 - 半導体製造装置世界最大手のアプライド・マテリアルズと2014年後半までに経営統合することで合意。2015年4月27日 - 「アメリカ合衆国司法省の承認が得られない」ことを理由として、アプライド・マテリアルズとの経営統合を断念することを公表。2015年10月 - TELのマークを変更。2018年10月 - 2012年5月に取得した米国現地法人TEL NEXX, Inc.の全株式を売却。2019年7月10日 - 米国BRIDGとの提携を発表。
歴代社長
グループ会社
日本
東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ株式会社 - 旧称「東京エレクトロンAT」→「東京エレクトロン山梨」。熱処理成膜装置、枚葉成膜装置、ガスケミカルエッチング装置、テストシステム、FPDプラズマエッチング/アッシング装置の開発・製造。2016年に東京エレクトロンTSを吸収合併、2017年に東京エレクトロン東北を吸収合併
- 穂坂事業所(山梨県韮崎市)
- 東北事業所(岩手県奥州市)
- 府中事業所(東京都府中市)
- 名古屋サテライト(愛知県名古屋市)
東京エレクトロン九州株式会社 - 半導体製造装置(コータ/デベロッパ、サーフェスプレパレーション(洗浄)装置)、FPD製造装置(FPDコータ/デベロッパ)の開発・製造
- 合志事業所(熊本県合志市)
- 大津事業所(熊本県菊池郡大津町)
東京エレクトロン宮城株式会社 - プラズマエッチング装置の開発・製造東京エレクトロン デバイス株式会社 - 産業用エレクトロニクス製品の設計・開発、半導体電子デバイス及び情報通信機器の販売、保守東京エレクトロン FE株式会社 - 装置の設置・保守サービス東京エレクトロン BP株式会社 - 物流サービス、施設管理、給与・福利厚生、オフィスサポート東京エレクトロン エージェンシー株式会社 - 保険代理
米国
Tokyo Electron U.S. Holdings, Inc. - 米国統括拠点Tokyo Electron America, Inc. - 米国におけるセールス・サポートTEL Technology Center, America, LLC. - 半導体製造装置の研究・開発TEL Venture Capital, Inc.TEL Epion Inc. - ガスクラスターイオンビーム(GCIB)技術を用いた産業用製造装置の開発・製造TEL FSI, Inc. - サーフェスプレパレーション装置の開発・製造・販売
欧州
Tokyo Electron Europe Limited - 全ヨーロッパ統括拠点(Crawley, England)
- German Branch
- Italian Branch
- Netherlandish Branch
- Irish Branch
- French Branch
TEL Solar Services AGTEL Magnetic Solutions Limited - 磁場中処理熱装置の開発・製造・販売Tokyo Electron Israel Limited
アジア
Tokyo Electron Korea Limited代表者 理事会長 堀井 義明 代表理事社長 元 濟亨Tokyo Electron Taiwan Limited代表者 董事・総経理 秦 雅章Tokyo Electron (Shanghai) Limited代表者 董事・総経理 Jay ChenTokyo Electron (Shanghai) Logistic Center Limited代表者 董事・総経理 Jay ChenTokyo Electron (Kunshan) Limited - FPD製造装置の製造および部品の補修代表者 董事・総経理 Jay ChenTokyo Electron Singapore PTE. Limited代表者 伊藤 秀樹
保養地
テルニセコリゾートテル箱根クラブ東京エレクトロン軽井沢クラブ東京エレクトロン松島クラブテル熊本クラブ
命名権
以下の施設の命名権を取得している。「東京エレクトロン韮崎文化ホール」 … 「韮崎市文化ホール」(山梨県韮崎市)を改称。2006年4月から5年間、600万円/年。2011年4月から5年間、550万円/年。「東京エレクトロンホール宮城」 … 「宮城県民会館」(宮城県仙台市)を改称。2008年4月1日から5年間、5000万円/年。数度の更新を経て2020年4月からは3年間、3000万円/年の内容で契約を更新する。
脚注
出典
関連項目
半導体・製造装置メーカー売上高ランキングJリーグ - 2011年よりオフィシャルスポンサー。2012年は審判団ユニフォームスポンサー、フェアープレーパートナー。ヴァンフォーレ甲府 - 2006年から2011年までユニフォームスポンサー。2012年以降は子会社・東京エレクトロン山梨が務める。全日本実業団対抗女子駅伝競走大会 - 2010年より協賛スポンサー。超平凡博士★タナカ - 一社提供TBSテレビの番組。夢★夢Engine! - 一社提供TBSラジオの番組。FairiesのFly to the World - 冠スポンサー、放送局は東京放送ホールディングス傘下のTBSラジオではなくフジ・メディア・ホールディングス傘下のニッポン放送の番組。
外部リンク
東京エレクトロン株式会社
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東京エレクトロン
(http://ja.wikipedia.org/)より引用