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スプーン・ヘラ

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スプーン(英: spoon)とは、小さくて浅いボウル状の部分と比較的長い取っ手を組み合わせた、食事用あるいは調理用の道具。(さじ)ともいう。

概説

主に食事をする時、料理を食べるときの道具(食器)として、また調理をする時の道具として使われる(食材を取ったり、混ぜたり、潰したり、量ったりするのに使う)。薬品類を扱う時にも使うことがある。素材は、ステンレス・金・銀、真鍮やニッケルなどをめっきしたものなど金属製のものが多いが、歴史的に見ると木製や陶器製のもの、角や骨を材料にしたものが使われていた時代は長く、特に陶器製や木製のものは広く使われる。たとえば中華料理で使う散蓮華は陶製スプーンであり、広く使われている。また木製スプーンも多種類販売されている。木製は、金属製よりも「持つのに冷たくない」「あたたかみがある」「触感と見た目の両方で、心理的に癒される」というメリットがある。また、弁当にはしばしばプラスチック製のものが添えられる。このほか、可食性素材のスプーンもある。形状は、物を乗せる皿状の部分と手で持つための柄で構成される。柄の部分を別部材で構成した別柄型のものと、全体を一体成型にしたものがある。

スプーンの用途と種類

スプーンはその用途に合わせて、さまざまな種類のものがある。

飲食用

飲食用のスプーンは食事の際に食べ物をすくう、混ぜる、口に運ぶという用途で用いられる。タイ・カンボジア・ラオスでは「スプーンとフォーク」のセットを食器として用いるために、ナイフのように硬いものを切る用途にも用いられる。ベトナムでも唐辛子を刻む時などにナイフのように用いられる。フランス料理などのテーブルセッティングでは、スープスプーンが最も右側に配置される。スプーンは、ナイフやフォークなどとともにカトラリーを構成する。テーブルスプーン : シチューやスープなどの料理をすくう。料理を大皿から各個人の小皿に取り分ける。スープスプーン : シチューやスープをすくう。先が丸い。デザートスプーン : デザートや果物をすくう。テーブルスプーンよりも小型。アイスクリームスプーン : アイスクリームをすくいやすいように先が角張っている。他にもアイスクリームを熱伝導で溶かしながらすくうスプーンもある。イチゴ用スプーン : 皿状の部分が、イチゴを押しつぶしやすい形状をしている。バー・スプーンティースプーン : 紅茶(やコーヒー)をかき混ぜるために、かなり小さなスプーン。紅茶を想定しているので「ティー」スプーンという。コーヒースプーン : コーヒーに入れるために砂糖を計量したり、かきまぜる。ティースプーンより小型。キャディースプーン : 紅茶の茶葉を量り、ポットに入れる。散蓮華 : 中国料理で使われるスプーン。先割れスプーン : メロンやスイカを食べやすいように小さく先が割れていて、日本の学校給食においても使用されていたが、評判が悪く、現在では減少傾向にある。スポーク(Spork):スプーンとフォークを兼用するもの。アウトドアなどで、荷物を軽量化するために使う。チタン製などがある。日本ではコンビニ弁当の付属品などでプラスチック製のものが無料配布されていたが、プラスチック削減の世界的運動により減少傾向にある。また、紅茶やアブサンを飲む際に、茶漉し代わりに小さな穴が多く開いているスプーンを用いる事がある。

調理用

通常の食事用のテーブルスプーンやデザートスプーンを料理に使う。食材を容器から取り出しボウルや鍋などに入れるのに使う食材をつぶすのに使う。たとえば果実を潰すのに使う。フライパン上で油で「アロゼ」するため、フライパンを傾け、スプーンで油をすくい熱い油を繰り返しかけてシェフたちは調理する。料理のレシピ(料理手順の指示書き)では、しばしば「小さじ、すり切り2杯」や「大さじ 3杯」などと、スプーンを単位にして量が指定される。計量スプーン : 砂糖・塩・醤油・酢・油等の調味料を計量する。すり切りで大さじで 15cc、小さじで 5cc である。溝付きスプーン:皿状の部分に穴が開いており、固形物のみをすくいあげることができる。

その他

薬匙 : 量り取ったり、攪拌したりする。アイラッシュカーラー(ビューラー) : メキシコではスプーンをビューラー代わりにしてまつげの手入れに使用することがある。

スプーンの歴史

ヨーロッパでは、新石器時代に使われた陶器製や骨を削ったスプーンが発掘されている(木製のスプーンは土に埋まると腐敗してしまうので、石器時代の遺跡から遺物としては出土しづらい)。古代エジプトでは、木製、石製、象牙製などのスプーンが使われた。紀元前1000年ころ には使われていたことが分かっている。ファラオや書記など身分が高い人々によって使われた。スプーンには宗教的な図柄が彫りこまれた。古代エジプトでは化粧品の調合用にもスプーンが使われていた。