オイルシールとは、回転軸における潤滑剤の漏れや異物の混入を防ぐ密封装置の一種。一言で言えば、オイル(油)をシールする(封じる)機械要素である。
形状・機能
形状は、金属リングと合成ゴムを組み合わせた環状のものが普通。リップと呼ばれる内側部分が、中に入った環状コイルばねに押されて軸表面に弾性的に密着する。通常、機械の摩擦部分には機械を動きやすくするために潤滑油を入れる。その回転、往復又は遥動する機械の軸まわりにオイルシールを装着し、すきまから油が漏れるのを防ぐために用いられる。そのとき、完全に油が漏れるのを密封するわけではなく、あえて少しずつ油を漏らすことで機械の動きをより滑らかにする。また、外部から埃や土砂が機械内部へ侵入するのを防ぐ機能もある。油だけでなく、機械に使用される水・薬液・ガス等が外部に漏れないようにする目的のものもある。
構成
環状のオイルシールの内周部の軸との接着部分を「リップ部」、外周部のハウジング穴との接着部分を「はめあい部」という。
リップ部
リップ先端部(遥動面)
- くさび上の断面形状をなし、先端部で軸表面を押し付けて、流体を密封する。
シールリップ部
- フレキシブルなエラストマーでできている。機械の振動や密封流体の圧力変動の影響に対し、安定した密封作用を保つように設計されている。リップ先端部の軸表面との接触状態を安定した状態に保つ。
ダストリップ部
- 補助的に付けられた、バネなしリップで、外部からのダスト侵入を防ぐ。
はめあい部
オイルシールをハウジング穴に固定する。同時に、オイルシール外周面とハウジング内面との接触両面からの流体の漏れ、又は侵入を防ぐ。
使用先
主として自動車のエンジン、トランスミッションに使用。車軸やサスペンション、ショックアブソーバーなど、直動部分にも使われている。乗用車1台あたり60個以上使用されている。他にも建設機械、工作機械、ロボット、航空機、宇宙航空機、船舶、鉄道車両、農業機械、石油化学プラント、原子力発電プラント、家庭電気製品など、あらゆる分野の凡そ機械と名の付くもの全てに使用されている。
参考文献
日本プラントメンテナンス協会 編『わかりやすい機械要素 下巻』JIPMソリューション、2001年。ISBN 4-88956-189-7。 第10章シール
関連項目
機械工学シール (工学)ガスケットOリング水密
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オイルシール
(http://ja.wikipedia.org/)より引用