はみ出し対策として、前述4番目で挙げられた「バックアップリング」の装着がある。バックアップリングは、断面が薄い長方形の環型の部品で、Oリングと溝の壁の間に取り付けて使用される。一方向からのみ圧力がかかる場合は圧力と逆側に装着し、両方向から圧力がかかる場合は両側に装着する。バックアップリングの材料には、皮革、テフロン、金属などが使われる。断面長方形の環型であることは共通だが、形状にはいくつかの種類があり、JIS B 2401-4ではスパイラル、バイアスカット、エンドレスの3種類を規定している。
国際規格(ISO)、米国自動車技術者協会規格(SAE)、日本工業規格(JIS)、日本自動車技術会規格(JASO)などで、Oリングの形状や材料、溝形状などに関する規格が整備されている。ISO 3601-1 (2012) - O-rings -- Part 1: Inside diameters, cross-sections, tolerances and designation codesISO 3601-2 (2008) - O-rings -- Part 2: Housing dimensions for general applicationsISO 3601-3 (2005) - O-rings -- Part 3: Quality acceptance criteriaISO 3601-4 (2008) - O-rings -- Part 4: Anti-extrusion rings (back-up rings)ISO 3601-5 (2008) - O-rings -- Part 5: Specification of elastomeric materials for industrial applicationsSAE AS568D (2014) - Aerospace Size Standard for O-ringsJIS B2401-1 (2012) - Oリング-第1部:OリングJIS B2401-2 (2012) - Oリング-第2部:ハウジングの形状・寸法JIS B2401-3 (2012) - Oリング-第3部:外観品質基準JIS B2401-4 (2012) - Oリング-第4部:バックアップリングJIS B2410 (2005) - Oリング-ゴム材料の選定指針JASO F404 (1996) - 自動車用Oリング
脚注
参照文献
渡辺康博、2009、『現場の即戦力 よくわかるシール技術の基礎』初版、技術評論社 ISBN 978-4-7741-3812-1小林政治、1962、「Oリングについて その材質と特徴」、『真空』5巻5号、日本真空協会、doi:10.3131/jvsj.5.178 pp. 178–184津田総雄、1994、「Oリング」、『日本ゴム協会誌』67巻5号、日本ゴム協会、doi:10.2324/gomu.67.339 pp. 339–347Erik Oberg, Franklin Jones, Holbrook Horton, Henry Ryffel, Christopher McCauley (2012). Machinery's Handbook (29 ed.). Industrial Press. ISBN 978-0-8311-2900-2Parker Hannifin Corporation (2007年). “Parker O-Ring Handbook - ORD 5700”. 2015年11月19日閲覧。